タイさんの取材ヨレヨレ日記⑮ 広報部は出世コース
経済記者をしていると、広報部の方々との付き合いが多くなります。取材のたびに顔を合わせます。 私が記者として現場を回っている頃は、新人社員や就職希望の学生にとって、広報部は人気の職場でした。企画部門、国際部門の頭文字と合わせて、「人気の3K職...
タイさんの記者生活は「山あり 谷あり」ではなく、「谷あり 谷あり」。
辛いことの連続でしたが、ごくときたま、ほっこりした経験もありました。
そんなエピソードの数々を紹介しますね。
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑮ 広報部は出世コース
経済記者をしていると、広報部の方々との付き合いが多くなります。取材のたびに顔を合わせます。 私が記者として現場を回っている頃は、新人社員や就職希望の学生にとって、広報部は人気の職場でした。企画部門、国際部門の頭文字と合わせて、「人気の3K職...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑭ 大物政治家の殺し文句
ある官庁記者クラブのキャップをしていた時のお話です。香港で数日間にわたって開催される大きな国際会議へ出席する大臣の同行取材をしました。取材の利便性を考え、大臣と記者団は同じホテルに宿泊するのが原則です。この出張では、会議場に近いホテルが宿泊...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑬ 記者ほど面白い仕事はありません
新聞業界の地盤沈下が止まりません。部数は急減。通勤電車の中で新聞を読んでいる人をまったく見かけなくなりました。ある小学校で、「工作に使うので、古新聞を家から持ってきてください」と呼びかけたら、自宅で新聞を取っている児童が一人もいなかった、と...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑫ サリンで吹っ飛んだスクープ
「戦後50年」となった1995年は、いろいろな事件が起きた年でした。1月には阪神・淡路大震災。この連載で以前に書いた「東京銀行、三菱銀行の大合併」。そして、オウム真理教による地下鉄サリン事件。年明けから途切れなく、大ニュースが相次ぎました。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑪ 検察といえば思い出す
この原稿を書いている時点では、安倍派の「裏金問題」が大きなニュースになっています。世間の期待はズバリ、地検特捜部がどこまで政界の闇に迫ることができるのか、そしてどんな世直しをしてくれるのか。検察が一種の「ヒーロー」のように持ち上げられていま...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑩ 忘れられない海外取材
今回は海外取材の話をしますね。経済記者は案外、海外取材の機会が多いんです。国際会議の取材や政治家、財界首脳による海外ミッションへの同行取材などです。私も何度も海外取材をしました。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑨ たまには私もスクープ
スクープを抜かれた話、ライバルに大負けした話を書き連ねてきました。でも、私だって大きなスクープをした経験はあるんです。長く記者をやっていましたからね。世界でもトップクラスの規模と売り上げを誇る某企業を取材していた時です。その会社が1世紀以上...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑧ 圧倒的に増えているプレスリリース
今回は趣向を変えて、メディアの現場で今、起きている変化についてお話しします。後輩の記者たちと話していると、彼らが異口同音に強調するのは、「メディアに持ち込まれるプレスリリースの量がとても増えている」という点です。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑦ 銀行合併は大ニュース
私が金融業界の取材を始めた90年代半ば、都市銀行は13行ありました。覚えていますか?大手行が三菱、富士、第一勧銀、三和、住友の5行。中位行が三井、東海、太陽神戸、大和の4行。このほかに協和、埼玉、東京、北海道拓殖の4行で、計13行です。こん...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑥ ライバルたちは戦友
スクープの抜き抜かれにしのぎを削る記者にとって、ほかのメディアは全員がライバルです。ある時は他メディアの記者たちのひそひそ話に耳を澄まし、ある時はライバル記者が破り捨てた原稿をひそかにゴミ箱から拾って、大切な情報が書かれていないか確認します...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑤ デスクってなに?
はじめは、訳も分からずに現場を走り回るだけの記者たち。だんだん経験を積んでくると、記者クラブの責任者である「キャップ」になります。キャップは、いわば記者の現場監督。最前線で取材の指揮をとるだけでなく、部下たちから出てきた原稿を手直しし、本社...
タイさんの取材ヨレヨレ日記④ 男の中の男
記者として、何万人もの人に話を聞いてきました。「これこそ男の中の男だ」と感服した人物が、何人かいます。真っ先にアタマに浮かんだのは、ある大手素材メーカーで労務担当の役員をしていたAさんです。民間企業を担当する記者にとって、その年の賃上げ水準...
タイさんの取材ヨレヨレ日記③ 「抜かれ」はつらいよ
新聞業界で最も権威ある賞が「新聞協会賞」です。その1年間で、もっとも大きなスクープに与えられます。自慢ではありませんが、私はこの新聞協会賞を4回、ライバルたちに取られてしまいました。つまり、大きなスクープを4回も、他紙に抜かれた訳です。続き...
タイさんの取材ヨレヨレ日記② 足取り重い大晦日の歳末警戒
前回、夜討ち朝駆けの話を書きました。昼間になかなか会えない人を捕まえるための手法ですが、実は「成功」の確率はそれほど高くありません。政治家や経済人など取材慣れしている人々は、「来そうだな」と予感したら、記者たちが張り込んでいる自宅には帰らず...
タイさんの取材ヨレヨレ日記① 雨に濡れた女性記者に負けた夜
私は全国紙で経済記者をしていました。約30年間の記者生活で体験したお話を、いろいろなテーマで書き連ねていこうと思います。読者の皆さんが実際にメディアから取材を受けた時、参考になるお話もあるはずですよ。 「夜討ち朝駆け」という言葉があります。...