GPSS Journal
~タイさんの取材ヨレヨレ日記~

タイさんの記者生活は「山あり 谷あり」ではなく、「谷あり 谷あり」。
辛いことの連続でしたが、ごくときたま、ほっこりした経験もありました。
そんなエピソードの数々を紹介しますね。

タイさんの取材ヨレヨレ日記㉔ 夜討ちは太ります

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記者が夜討ち先で張り込み、帰宅した相手に情報を確認した後、記者クラブや本社に戻って関連記事を書けるのはとても運が良い日だけ。大半の夜討ちは空振りに終わり、記事にできるようなネタは得られません。そんな日でも、取材先とのやり取りを詳細なメモに残...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑳ 非常事の取材は大変です

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2024年は元旦から大地震に見舞われ、波乱のスタートとなりました。非常事態になると、社会部の記者たちは間髪入れず、現地に向かいます。一刻も早く、現場の模様を全国に伝えたいという本能が、彼らを駆り立てます。私は経済部の記者だったので、災害取材...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑲ 記者は社内結婚が多め

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社内やライバル紙の記者と結婚する例は多いですね。みんな忙しすぎて、同業者や取材先以外とは話す機会がないためです。同業者同士での結婚は、お互いの事情や苦労を良く理解しているので、夫婦喧嘩が少なくなるという説があります。記者の場合は、二人とも仕...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑱ デスクの大晦日

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新聞は元旦も配達されます。もちろん、テレビニュースも元旦に放送されます。元旦の紙面や朝のニュース番組を担当するデスクは、大晦日に出勤して作業に励みます。私がデスクだった時は、大晦日もいつもと同じように出社。現場から出てきた原稿をチェックする...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑰ 記者は短命?

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今年も多くの先輩記者の訃報が届きました。古希を迎える前に亡くなった先輩も複数います。秋には、大学で同期だった社会部の記者も、長い闘病の末、亡くなりました。 これまで書いてきたように、記者の日常はハードです。睡眠時間は短いし、ストレスも多い。...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑮ 広報部は出世コース

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経済記者をしていると、広報部の方々との付き合いが多くなります。取材のたびに顔を合わせます。 私が記者として現場を回っている頃は、新人社員や就職希望の学生にとって、広報部は人気の職場でした。企画部門、国際部門の頭文字と合わせて、「人気の3K職...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑭ 大物政治家の殺し文句

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ある官庁記者クラブのキャップをしていた時のお話です。香港で数日間にわたって開催される大きな国際会議へ出席する大臣の同行取材をしました。取材の利便性を考え、大臣と記者団は同じホテルに宿泊するのが原則です。この出張では、会議場に近いホテルが宿泊...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑪ 検察といえば思い出す 

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この原稿を書いている時点では、安倍派の「裏金問題」が大きなニュースになっています。世間の期待はズバリ、地検特捜部がどこまで政界の闇に迫ることができるのか、そしてどんな世直しをしてくれるのか。検察が一種の「ヒーロー」のように持ち上げられていま...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑨ たまには私もスクープ

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スクープを抜かれた話、ライバルに大負けした話を書き連ねてきました。でも、私だって大きなスクープをした経験はあるんです。長く記者をやっていましたからね。世界でもトップクラスの規模と売り上げを誇る某企業を取材していた時です。その会社が1世紀以上...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑦ 銀行合併は大ニュース

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私が金融業界の取材を始めた90年代半ば、都市銀行は13行ありました。覚えていますか?大手行が三菱、富士、第一勧銀、三和、住友の5行。中位行が三井、東海、太陽神戸、大和の4行。このほかに協和、埼玉、東京、北海道拓殖の4行で、計13行です。こん...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑥ ライバルたちは戦友

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スクープの抜き抜かれにしのぎを削る記者にとって、ほかのメディアは全員がライバルです。ある時は他メディアの記者たちのひそひそ話に耳を澄まし、ある時はライバル記者が破り捨てた原稿をひそかにゴミ箱から拾って、大切な情報が書かれていないか確認します...

タイさんの取材ヨレヨレ日記⑤ デスクってなに?

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はじめは、訳も分からずに現場を走り回るだけの記者たち。だんだん経験を積んでくると、記者クラブの責任者である「キャップ」になります。キャップは、いわば記者の現場監督。最前線で取材の指揮をとるだけでなく、部下たちから出てきた原稿を手直しし、本社...

タイさんの取材ヨレヨレ日記④ 男の中の男

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記者として、何万人もの人に話を聞いてきました。「これこそ男の中の男だ」と感服した人物が、何人かいます。真っ先にアタマに浮かんだのは、ある大手素材メーカーで労務担当の役員をしていたAさんです。民間企業を担当する記者にとって、その年の賃上げ水準...

タイさんの取材ヨレヨレ日記③ 「抜かれ」はつらいよ

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新聞業界で最も権威ある賞が「新聞協会賞」です。その1年間で、もっとも大きなスクープに与えられます。自慢ではありませんが、私はこの新聞協会賞を4回、ライバルたちに取られてしまいました。つまり、大きなスクープを4回も、他紙に抜かれた訳です。続き...