タイさんの取材ヨレヨレ日記㉕ 記者は服装もヨレヨレです
地方支局へ配属された新人記者は殺人や傷害、窃盗などさまざまな事件を取材すると同時に、交通事故や火災の現場にも駆け付けます。事件、事故の取材で飛び回ることで、記事の書き方のイロハを学び、警察関係者など大切な取材先との付き合い方も身につけます。...
タイさんの記者生活は「山あり 谷あり」ではなく、「谷あり 谷あり」。
辛いことの連続でしたが、ごくときたま、ほっこりした経験もありました。
そんなエピソードの数々を紹介しますね。
タイさんの取材ヨレヨレ日記㉕ 記者は服装もヨレヨレです
地方支局へ配属された新人記者は殺人や傷害、窃盗などさまざまな事件を取材すると同時に、交通事故や火災の現場にも駆け付けます。事件、事故の取材で飛び回ることで、記事の書き方のイロハを学び、警察関係者など大切な取材先との付き合い方も身につけます。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記㉔ 夜討ちは太ります
記者が夜討ち先で張り込み、帰宅した相手に情報を確認した後、記者クラブや本社に戻って関連記事を書けるのはとても運が良い日だけ。大半の夜討ちは空振りに終わり、記事にできるようなネタは得られません。そんな日でも、取材先とのやり取りを詳細なメモに残...
タイさんの取材ヨレヨレ日記㉓ バブル直後は怪しい人物がうようよ
私が経済部の記者になったのは1990年です。株価は前年末に最高値をつけた後、下落続き。「地価は下がらない」という不動産神話も、不動産向け融資の総量規制と金利引き上げによって過去のものになりました。バブル崩壊が本格化したのです。みなさんは、「...
タイさんの取材ヨレヨレ日㉒ カーナビがなかった時代の夜討ちは大変
全国紙の記者は、入社直後にはまず、地方の支局に配属されます。支局では、夜討ち朝駆けの際には自分で車を運転するのが原則です。私が記者になったころにはまだ、カーナビが普及していませんでした。住宅地図と電柱の住所表示だけを目印に、慣れない道を運転...
タイさんの取材ヨレヨレ日記㉑ 取材先との飲み会はスクープの機会
記者は、取材先と飲む機会が多くあります。大きなネタを持っていそうな相手と飲むときは、記者は大抵、二人で参加します。酒が強い方の記者が乾杯を繰り返し、そろそろ相手が酔っ払ってきたなと判断したら、もう一人の記者が「ところで、あの件はどうなってま...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑳ 非常事の取材は大変です
2024年は元旦から大地震に見舞われ、波乱のスタートとなりました。非常事態になると、社会部の記者たちは間髪入れず、現地に向かいます。一刻も早く、現場の模様を全国に伝えたいという本能が、彼らを駆り立てます。私は経済部の記者だったので、災害取材...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑲ 記者は社内結婚が多め
社内やライバル紙の記者と結婚する例は多いですね。みんな忙しすぎて、同業者や取材先以外とは話す機会がないためです。同業者同士での結婚は、お互いの事情や苦労を良く理解しているので、夫婦喧嘩が少なくなるという説があります。記者の場合は、二人とも仕...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑱ デスクの大晦日
新聞は元旦も配達されます。もちろん、テレビニュースも元旦に放送されます。元旦の紙面や朝のニュース番組を担当するデスクは、大晦日に出勤して作業に励みます。私がデスクだった時は、大晦日もいつもと同じように出社。現場から出てきた原稿をチェックする...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑰ 記者は短命?
今年も多くの先輩記者の訃報が届きました。古希を迎える前に亡くなった先輩も複数います。秋には、大学で同期だった社会部の記者も、長い闘病の末、亡くなりました。 これまで書いてきたように、記者の日常はハードです。睡眠時間は短いし、ストレスも多い。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑯ 年末年始はパーティーの連続
年末年始はパーティーの季節。様々な業界団体や企業が「年末懇親会」や「賀詞交歓会」といった名目で、ホテルの大広間を借り切ってのパーティーを開催します。 最も有名なのは、年明け早々に開催される「経済3団体賀詞交歓会」でしょう。日本経団連、経済同...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑮ 広報部は出世コース
経済記者をしていると、広報部の方々との付き合いが多くなります。取材のたびに顔を合わせます。 私が記者として現場を回っている頃は、新人社員や就職希望の学生にとって、広報部は人気の職場でした。企画部門、国際部門の頭文字と合わせて、「人気の3K職...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑭ 大物政治家の殺し文句
ある官庁記者クラブのキャップをしていた時のお話です。香港で数日間にわたって開催される大きな国際会議へ出席する大臣の同行取材をしました。取材の利便性を考え、大臣と記者団は同じホテルに宿泊するのが原則です。この出張では、会議場に近いホテルが宿泊...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑬ 記者ほど面白い仕事はありません
新聞業界の地盤沈下が止まりません。部数は急減。通勤電車の中で新聞を読んでいる人をまったく見かけなくなりました。ある小学校で、「工作に使うので、古新聞を家から持ってきてください」と呼びかけたら、自宅で新聞を取っている児童が一人もいなかった、と...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑫ サリンで吹っ飛んだスクープ
「戦後50年」となった1995年は、いろいろな事件が起きた年でした。1月には阪神・淡路大震災。この連載で以前に書いた「東京銀行、三菱銀行の大合併」。そして、オウム真理教による地下鉄サリン事件。年明けから途切れなく、大ニュースが相次ぎました。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑪ 検察といえば思い出す
この原稿を書いている時点では、安倍派の「裏金問題」が大きなニュースになっています。世間の期待はズバリ、地検特捜部がどこまで政界の闇に迫ることができるのか、そしてどんな世直しをしてくれるのか。検察が一種の「ヒーロー」のように持ち上げられていま...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑩ 忘れられない海外取材
今回は海外取材の話をしますね。経済記者は案外、海外取材の機会が多いんです。国際会議の取材や政治家、財界首脳による海外ミッションへの同行取材などです。私も何度も海外取材をしました。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑨ たまには私もスクープ
スクープを抜かれた話、ライバルに大負けした話を書き連ねてきました。でも、私だって大きなスクープをした経験はあるんです。長く記者をやっていましたからね。世界でもトップクラスの規模と売り上げを誇る某企業を取材していた時です。その会社が1世紀以上...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑧ 圧倒的に増えているプレスリリース
今回は趣向を変えて、メディアの現場で今、起きている変化についてお話しします。後輩の記者たちと話していると、彼らが異口同音に強調するのは、「メディアに持ち込まれるプレスリリースの量がとても増えている」という点です。...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑦ 銀行合併は大ニュース
私が金融業界の取材を始めた90年代半ば、都市銀行は13行ありました。覚えていますか?大手行が三菱、富士、第一勧銀、三和、住友の5行。中位行が三井、東海、太陽神戸、大和の4行。このほかに協和、埼玉、東京、北海道拓殖の4行で、計13行です。こん...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑥ ライバルたちは戦友
スクープの抜き抜かれにしのぎを削る記者にとって、ほかのメディアは全員がライバルです。ある時は他メディアの記者たちのひそひそ話に耳を澄まし、ある時はライバル記者が破り捨てた原稿をひそかにゴミ箱から拾って、大切な情報が書かれていないか確認します...
タイさんの取材ヨレヨレ日記⑤ デスクってなに?
はじめは、訳も分からずに現場を走り回るだけの記者たち。だんだん経験を積んでくると、記者クラブの責任者である「キャップ」になります。キャップは、いわば記者の現場監督。最前線で取材の指揮をとるだけでなく、部下たちから出てきた原稿を手直しし、本社...
タイさんの取材ヨレヨレ日記④ 男の中の男
記者として、何万人もの人に話を聞いてきました。「これこそ男の中の男だ」と感服した人物が、何人かいます。真っ先にアタマに浮かんだのは、ある大手素材メーカーで労務担当の役員をしていたAさんです。民間企業を担当する記者にとって、その年の賃上げ水準...
タイさんの取材ヨレヨレ日記③ 「抜かれ」はつらいよ
新聞業界で最も権威ある賞が「新聞協会賞」です。その1年間で、もっとも大きなスクープに与えられます。自慢ではありませんが、私はこの新聞協会賞を4回、ライバルたちに取られてしまいました。つまり、大きなスクープを4回も、他紙に抜かれた訳です。続き...
タイさんの取材ヨレヨレ日記② 足取り重い大晦日の歳末警戒
前回、夜討ち朝駆けの話を書きました。昼間になかなか会えない人を捕まえるための手法ですが、実は「成功」の確率はそれほど高くありません。政治家や経済人など取材慣れしている人々は、「来そうだな」と予感したら、記者たちが張り込んでいる自宅には帰らず...